移動の課題
まず、地方には医療施設が少なく、公共交通機関も十分ではありません。未舗装の道路が多いため、病院まで長時間かかり、交通費も高額になります。その結果、受診をあきらめてしまう人が少なくありません。
Challenges
病気になった時に医療にアクセスできない現状には、アフリカの農村部ならではの様々な原因が絡み合っています。
私たちは、公衆衛生の論文をもとに、移動、貧困と保険の面から課題をシステムマップに整理しています。
まず、地方には医療施設が少なく、公共交通機関も十分ではありません。未舗装の道路が多いため、病院まで長時間かかり、交通費も高額になります。その結果、受診をあきらめてしまう人が少なくありません。
さらに、貧困も大きな壁です。収入が低く、貯蓄する余裕がないため、重い病気になったときの治療費を支払えません。治療を受けられないことで健康状態が悪化し、働けなくなってさらに貧困が深まるという悪循環が生まれています。
また、国民健康保険制度(NHIS)があるにもかかわらず、加入や更新の手続きが複雑で、保険でカバーされる治療や薬も限られています。保険に対する信頼が低く、加入していても自己負担が発生することから、保険を利用しない人もいます。その結果、無保険のまま医療費を全額負担しなければならず、治療を受けることがますます難しくなります。
このように、移動の不便さ、貧困、保険制度の課題が互いに影響し合い、「質の高い医療へのアクセス不足」を生み出しています。Fihankra Healthは、この複雑な課題に向き合い、誰もが必要な医療を受けられる環境づくりを目指しています。
ガーナの農村部では、多くの村に診療所や病院がなく、最寄りの医療施設まで数十キロ離れていることもあります。移動手段は主にバイクや乗り合いタクシーですが、交通費の負担が大きく、受診を先延ばしにしたり、諦めたりする人も少なくありません。
さらに雨季になると、未舗装の道路がぬかるみや冠水によって通行困難となり、病院への移動そのものが難しくなります。その結果、マラリアや感染症、妊娠・出産に伴う合併症など、本来であれば治療できる病気への対応が遅れ、命に関わる事態につながることがあります。
実際に、病院まで1時間以上かかるため受診できず、マラリアの症状が悪化した子どもや、交通費を負担できず高血圧の治療を中断していた高齢者もいます。医療の不足だけでなく、「医療機関までたどり着けない」という物理的な障壁が、人々の健康を脅かしているのです。
病気そのものだけではなく、「病院までの距離」と「移動手段の不足」が治療の機会を奪い、人々の命を脅かしています。だからこそ、村に医療を届ける巡回診療や遠隔診療が必要とされています。
サハラ以南のアフリカでは、1日3ドル以下で生活する方々が全人口の約45%います。
アフリカの農村部の方々は、国の統計に組み込まれないインフォーマルセクターの自給自足に近い農家の方が多く、干ばつなどの天候の変化にも弱く、貯金もないぎりぎりの生活をしている方が多いです。
ガーナの農村部では農業収入への依存度が高く、気候変動や物価上昇の影響を受けやすいため、医療へのアクセスが限られる家庭も少なくありません。